くっぴん/ただのみきや
 
     くっぴんに雨浅く

    猫っかぶりで畳遊泳

     主張弁解の昨日より

   謂われなき明日を詠いたい

      六法全書を枕にすると

窓の向こうに寡婦(ごけ)蜘蛛が

    青く湿気った燐光で

     再三助けを求めるが

    良く似た孤独を知っていて

     余韻結語を見ないまま

      目蓋を閉じて隠れろ隠れろ

  ずぶ濡れ嵐の夢の中




  
戻る   Point(18)