地球の顔を踏む/
殿岡秀秋
軽くなったばかりだから
息は苦しくないはずだ
松明の火のように
地上から浮いて静かに川へ
下っていくのだろう
おれは歩みをとめない
登り下りの連続は
物心ついたときから続いている
一歩が三年だったり
一歩が三日だったりするが
やがてあと一歩で終わりの日がくる
それまでは
山の影が
森や遙か彼方の街までおおう
おれは風景に靴跡を印す
その連続をこそ
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