すべての詩場に染む・諦念/
みずうみ鳶
うな
涙だけが知っている
花は
不透明水彩の粘度を持って
混ざりあい
喜びあう
それも透明な
アップルジュースの入ったグラスのなかで起こる
大地震の予行練習のように
ただしずかに
夢精の瞬間の朝焼けに似て
夢をはさんで反対側の鏡に映る
世界の墓標には
あたたかく花ひらく水槽の生活と
かじられた肉片の断面の赤がある
どちらも
夜の木は眠ることをやめない
便箋には影だけが忍ぶ
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