嫉妬/草野春心
 


  するどい刃は
  闇のなかでじくじくふくらむ
  夕暮れ時、しろい壁には
  おおきすぎる影がひろがる



  電話越しに言葉をぶつけながら
  床にはみにくい落書きをした   
  いつもカタカタ笑うきみが
  ほんとうは嬉しかった
  ほんとうは悔しかった
  月あかりにひかる刃、
  手のなかににぎりしめて





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