夢/葉leaf
でも貼り合わされているのである。夢という視野は壊れるのではない。それは、方角を見失うことで一度折りたたまり、さらに深く暗いところでもう一度姿を変えて広がっていくのである。そのとき、その視野は「夢」という名前を失い、決して名指されないものとして、多彩なものの残像が集積した場として、認識を回避しながら意味もなく広がっていく。夢という視野がかつて商っていたもの、例えば飛翔感や憧憬や情熱などは、現実の視野が代わりに無償で配給し始める。夢が壊れた、それは一つの外傷であるが、同時に一つの治癒でもあり、現実はいよいよその薬理作用を強めて人の化学的組成をより美的なものへと変えていくのだ。夢が壊れた、それは緻密な彫刻的達成であり、そこから流れ落ちるすべてのものは名前と動きと覚醒を失い、同時に満々と湛えられた世間のまなざしと口ぶりへの奇襲を導く華やかな闘志となるのである。
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