ゆめよあけよ/ただのみきや
 


目を閉じて見る
夢は
蓮の花のよう
正直だけれど
謎めいたまま
枯れずに沈む
深い淵へと
黄金の斧か
銀の鯰か


目を開けて見る
夢は
小さな鉢植えだ
虚飾に揺れても
明確で
預金通帳
肩幅歩幅
忘れられない
初恋のように


 いしき  
   むいしき
      夢うつつ     
 おきて
   みるのも
      夢ならば
 ねても
   さめても
      夢ばかり
 いきて
   いるのが
      夢なのか    


やがて来たれる
死という目覚め
夢一生は
かすみと消えて
常磐の泉のその前に
途方に暮れて立ち尽くす 
何かを落して来たような
黄金の斧か
    銀の鯰か
       それとも




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