冬花壇/霜天
 
寒がりな午後は日差しもゆるいので
あなたの肩にかける言葉も
引っ掛かりがなくて
滑り落ちてしまう
コートをかける場所を
内面の、深いところの
フックはまだ見つからない

確認するまでもなくからっぽの
裏通りを歩いたりする
通りすがりに咲いていた花は
間違いだったのかもしれない
とりあえず、僕らには
風の冷たかったこと


太陽が、ゆるくなる
凛としたここを
透明な音が過ぎても
それぞれの繋がりを
確認するまでもなく
暖かな花を求めるほどには
凍えていたわけでもなく


あなたに言葉は届かない
滑り落ちたものたちが
溶けていく音を聞く
立ち塞がるからっぽの花壇にも
かける言葉は見つからない
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