アンドロメダに向かってハンドキック/komasen333
ないで
忙しそうな声して
簡単にフェードアウトしないで
その喜びに寄り添う詩を
その怒りに寄り添う詩を
その哀しみに寄り添う詩を
その楽しみに寄り添う詩を
なんとか書けるようにと
会えるのに、会いに行かなかった
話せるのに、話そうとしなかった
抱きしめれるのに、抱きしめなかった
分かち合えるのに、分けようとしなかった
最後の電話が
克明にこびりついたまま
現実は物語になりがちで
物語は感情に流されがちで
感情は感化に脆弱すぎて
自分で自分の輪郭さえ満足になぞれない
思春期から続く
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