存在しない私達の為の音楽/yamadahifumi
存在しない言葉
誰からも何とも思われない言葉
そんな言葉達を
物語ろうではないか?
胸を張って、正々堂々と
誰も読まない物語
誰も感心せず、涙も流さず、激怒すら引き起こさない
そんな物語を作ろうではないか
ただ一人、君の為に
誰にも聞こえない音楽
誰もが素通りする音楽
誰の興味も惹かず、何の感興も起こさず
世界に対して、何一つ足す事も引く事もできないそんな音楽を
魂込めて演奏しようではないか?
この、何の意味もない人生の為に
この、存在しない私達の存在を「無」という世界の中で
もう一つの私達として存在させるために
戻る 編 削 Point(2)