樵と夏の終わり/ストーリーテラー
困窮と退屈のはざまに
気高き朝を見つけたならば
それはもう、入り口である
その朝を慎重に迎え入れ
ささやかな疲れを知るならば
それはもう、幸せである
ひび割れた手をかばい
樵は斧を打ちつける
頼りなく熱された昼下がり
落ち着きすぎた深緑をちびた刃が掘り起こす
同じようにひび割れた樹皮から
幼い夏がはじけて散った
樵はきゅっと口をむすび
初秋の黄昏に背を向ける
畦道を帰る少年を見て
木々の寂しさがよけいに香った
涙を流すまでもなく
それが樵の営みだった
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