蝉 コオロギ/euyih
 
落ちる蝉
溶ける氷
痛む指

何かに導かれたのではなく

それ自身が そう有る 不思議

次の瞬間

蝉はもう蝉でなく
氷は氷でなく
指は手に、腕に、体に、意識に溶けて

境界線が 極限に太くなる


コオロギが 鳴いている

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