★123 シロイ、トビラ/貴水 水海
だんだん
君のことを忘れていく
忘れられないと思っていたのに
君の笑顔と泣き顔を最後に見た
あの日
いくら泣いても
涙が溢れてきて
いくら飲んでも
酔えなくて
亡骸のようだった
君も
だんだん僕のことを忘れていくんだね
寂しいけれど
辛いけれど
そうしないと
次の扉が見えなかったんだね
僕はすこし
次の扉が見えてきたよ
また
泣くかもしれないけれど
真っ白い
大きな扉だよ
僕はすこし
次の扉が見えてきたよ
また
悲しい想いをするかもしれないけれど
真っ白い
大きな扉だよ
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