お互い年をとったのね。/
時子
ゴツゴツと背中の骨が浮いた犬。
白く濁った乾いた瞳。
パサパサの毛をそこら中に散らし、
しょんぼりと首を引かれて歩く。
そんなに下を向いて、
息を切らせて、
熱いアスファルトで爪を削りながら、
あなたは何を探しているの?
私はね、本当に月並みですが、
あなたが幸せになる方法を探しているの。
あなたと一緒に歩きながらそんなことを考えるほど、
私もあなたも年をとったのね。
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