しょうかせん/
佐藤伊織
消化腺のすみ
縁側のみすぼらしい光
「わたしがここにいる」という額縁
唾液は光を溶かす
わたしがここにいることを
わかってほしいとねがうけれど
それはみなおなじで
そんな文章を書いてみた
私の文章をあなたが
読んでいる
消火栓はもうすぐ
あの光の中で
溶けて消える
戻る
編
削
Point
(2)