しょうかせん/佐藤伊織
 
消化腺のすみ
縁側のみすぼらしい光
「わたしがここにいる」という額縁
唾液は光を溶かす

 わたしがここにいることを
 わかってほしいとねがうけれど
 それはみなおなじで

そんな文章を書いてみた
私の文章をあなたが
読んでいる
消火栓はもうすぐ
あの光の中で
溶けて消える

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