男の中であの人はあの日にいる/YAMATOMO
 
それでよかったような気がするけど

そんなきっかけしか考えられないほど男はあの人に自惚れていた


若い男のスクールデイズ 愛を語ってわかってもらえるほど

先公は男に優しくなかった

明日は数学のテストがあるとだけ一言

成績表になんと書かれるのかそれでアイツを殴るかどうか決める

それで満足した


帰り際にあの人の影が見えた

男はそれに追いすがって抱きしめるほど 人にも何にも生き方にも慣れていなかっただけだ

校舎裏の湿った土を踏みしめて滲んだ何日か前の雨は

どこか遠い遠い男の想いを映し出してるような気持ちにさせた


青春って何だろうと考えて

夕日が店に射し込んだちっぽけな男は

拳を強く握り締めて がんばろう と心の中で呟いたりしてる
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