男の中であの人はあの日にいる/YAMATOMO
 
青春って何だろうと

とっくの昔に思春期の過ぎ去った男が一人

ファーストフードのポテトを食べながら

仕事をサボり気味に考えている


遠い遠い耳鳴りのようなあの人の声は

どこか別世界のモノクロのような劇画タッチで

脳はフル回転をしつづけ昨日あったことをすべて吹っ飛ばしてふりかえる


いつかあの人と 学校の中庭は昼にしか日は差さないそんな場所だった

授業を抜け出し二人が会うにはあまりにも見通しの良いそこは

いつかいつかいつか と過ぎ行く日々の中で

雪が降ったらまた春にしようと想い 夏になったら紅葉を楽しもうと想う

あの人といれればそれ
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