車窓/睦月十八
 

どちらの面差しも旅の車窓のよう

行き過ぎても
視界の端にしがみついてくる

記憶になる前の残像は
意外なほどにカラフルで
フラッシュバックで負った
昨日の傷が

呼応したがって
爪を伸ばしているから

覚悟するしかなかったの

もう痛みを覚悟するしか
 ――そのどちら、にも



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