タワー・オブ・テラー/済谷川蛍
 
いく。だから彼らは多彩で夢見るような世界を生きている。

 想太は突然立ち上がって前へ数歩進んだ。
 「どこに行くん」とカオリが聞いた。
 「ちょっとトイレ」と想太が言うと、ナツオが「ぼくも行く!」と言った。トイレはバイキングルームか、待合室になっている1階にあった。想太は階段を使わずにわざわざエレベーターを使うことにした。とは言っても想太はエレベーターに1人で乗ったことがない。操作方法も具体的には知らない。即ちエレベーターは未知の世界へ繋がる冒険の扉である。想太はとりあえず入り口付近に立って、下の矢印のボタンを押した。ランプがついた。1階で待機していたエレベーターが上がってきてドアが開い
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