タワー・オブ・テラー/済谷川蛍
ドアがゆっくりと左右に開いた。無人のエレベーターに4人の子供たちが乗り込んだ。1番小さな少年がはしゃいだ声を出したので、女の子がシッと口元に人差し指をあてた。まもなくドアが閉まった。
4人は、それぞれの親に連れられてバイキングにきていた。同じ小学校で、同じ団地に住んでいる。夕食を食べ終えて、バイキングルームから出たところにある、ソファーやイスが設けられた休憩スペースで遊んでいた。1階へと降りる曲折した階段があり、そこでジャンケンゲームなどをして遊んだりもした。1人だけメガネをかけた小学3年生の男の子は大きな丸いクッション性のイスに座りニンテンドーDSに没頭していた。小学5年生の男の子が鬼
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