朝顔のこと/
はるな
はもっと大切な場所になった。もうそこへいく術がないけれど。)
朝顔はあお紫のが3輪、赤いのが2輪咲いたあとで、まっ白のものが1輪だけ開いた。つぼみはまだいくつもかたくねじれているが、白いものはほかに見当たらない。白のまぶしたようなのもない。まっ白だけがまったくどこまでも白い。300日ほどまえに、すきな男とどこでどのようにしてどんな顔をして会ったのか、やっぱりわたしはこの朝顔の白ほども覚えていないのに。
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