バースデー/ku-mi
今日また一年ぶりに、伝えられなかった言葉が増えた
首元がうっすら日に焼けて
キャミソールの跡がわかる朝
白い肌が好きだと言った瞳を
ときどき思い出している
隙間からこぼれおちる光を集めるように
あなたの心を拾い集めていた
なにもかもが淡かった三月に
あなたは「同じ空の下」と口ずさんだ
だけどたとえ同じように空を見上げていたとしても
同じものを見ていないものでしょう
フロントガラスを超えて太陽が肌を色づかせる
あなたと聞いた曲よりも繰り返し再生するのは
あの頃あなたを思い浮かべて一人でよく聞いていた曲
そんなふうに変わらないものもある
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