渓谷で/eyeneshanzelysee
 
くのほうから眺めてるみたいに見つめてた。
森のなかの、あたしのからだの、あたしの森を。
あたしの鼓動、森の鼓動。
すこし、溶け合ったかとおもえば、
それはあたし自身の呼吸の汎用性が
そう想わせたにすぎなかったって、きづく。
どこに?どこまでいけば、
そのゆらめき、その震える葉のリズム、
やわらかな木漏れ日の隙間をくすぐり
じゃれあうように
あたしも踊れるようになるの?

森のてっぺんで虫も鳥もまだあたしを見張ってる。
そこにはまだ遥か遠い領域。
あたしはまだ、絶対的なよそ者。
あたしも、森の一部になりたい。
そういうふうに、生きたい。






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