航路/青色銀河団
ゆっくり、透明に近づいてゆく。
ぼくらはそうやって生きてきたが、
それは多くの聖職者にとっても
共通の宿命だったのかも知れない。
ぼくらにとって神々しい《何か》が
ぼくらの感覚を奪ってゆく。
そういう静寂がずっと続いてきた。
結局のところ
それはぼくらの生命の終焉なのだと思う。
何か途方もないものが、
ぼくらの殻を突き破って
侵入しようとしている。
それはありふれた軍隊などと違って、
自分で触れることすらできない。
そうしてぼくらは
すこしづつ侵入されてゆくのだ。
空の鼓動も止んだ。
この静寂のなか
何かが、伝わり
何かが、伝わらない。
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