勝手にしやがれ/
草野春心
あちこちで物音がして
生まれたり死んだりしている
洗ったばかりの白いシャツ
でも、なんだか袖を通す気になれず
日曜日はいやなことから目をそらす
べつに月曜も火曜も水曜もそうなんだけど
勝手にしやがれって言った君の
ふるえるみたいな声がまだ僕を揺さぶるんだ
きょうの朝刊はポストのなかで
きのうの朝刊になるのを待ってる……僕みたいに
耳の奥で君の声が大きくなって胸ぐらを掴み
強くせつなく揺さぶるんだ
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