告白と言い訳/ただのみきや
 
の題名は「天・地・人」
驚いたことにこの方は
わたしと同じ市の出身でした
もっともこの方は大正十五年生まれ
全く知らない方でした


裏表紙には本人のサインと朱の落款
同じ筆跡で「○○様へ」
しばらく書棚に寝かせていましたが
読み終えた中也の代わりに鞄へ入れ
仕事の合間に読み始めました
詩は解き放たれ
四季が巡り始めます
それは真空パックの新鮮さ
全く時代を感じさせません
雪どけの小川のように流れてくるのです
古さを感じさせない小説もあるでしょう
しかし書き手の飾らない心の震え
日常の感動や心象があたかも
そこに在るかのように伝わってくるのは
それが詩であ
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