蛇口/時子
 
だ」となんとなくわかった。

「ありがとなぁ…、ありがとなぁ…。また会おうなぁ」

いつのまにか蛇口の水は止まっていて、僕があっ!と僕が叫んだ途端、おじいさんは消えた。
ベンチと、その下の地面に大きな水たまりを残して。


その後、僕はそれはもう大パニックだった。
喉の乾きも忘れて家まで走り、蛇口の事、ゴンの事、おじいさんの事を両親に泣きながら話した。
蛇口を捻ったのは僕で、そのせいでおじいさんは消えてしまった。

「おじいさんが消えちゃった!おじいさんが消えちゃった!僕、おじいさんを殺しちゃったぁ…!」

両親は僕のあまりの泣きっぷりに完全に動揺し、ご近
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