遠い地平線の歌/バンブーブンバ
 
  シャボンのうちがわに剥がれそうな
  とうめいな空が
  なないろの歌に
  ふるえている


  残照が
  鉄塔のもっとむこうを
  錆のように染め
  数千億の速度の経過は
  おしつつまれてゆき
  むすめのひとみのうすらひに
  かかる


  むじゃきにシャボンはじけゆく
  はじけゆくのを
  ながめながらわたしは
  とうめいな質量が
  膜に濡れ
  錆に暮れ ようやく
  失われてゆくのを
  失われて
  あしたへゆくのを


  緋色のさなか
  たなびくきみの髪にあたると
  うすく
  鉄の突く香り
 

  シャボンのうちがわに剥がれそうな
  とうめいな空が
  なないろの歌に
  ふるえている









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