葉月 震動/木立 悟
 
に泣きながら


まばたきのたびに午後となり
夜の遠さに渇く左目
川辺の草は燃えあがり
煙は見えない墓を巡る


隠すものなく隠すもの
泪の行方を刻むもの
捨て置かれた明るさを飼い
通りを鈍く照らすもの


夜の街を両断し
鉄柵はどこまでものびてゆく
花に踏まれ 浪に踏まれ
震えはにじみ またたいている


























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