タイムマシンに乗って……/創輝
 
未来が見てみたかった
二〇?Ý年、僕は60歳…
そんな僕が、何してるのか見てみたかった。

タイムマシンなんていうもののモニターに
ぼくは真っ先に飛びついた。

ああ、なんてこったい
なんて言葉が自嘲気味に吊り上げた口から零れ出た。
今、もてはやされてるスカイツリーが曲がってる。東京タワーは最早赤いものではなく、富士山は抉り取られたような爪あとが残っていた。

人通りの少ない町を、僕は歩いた。
今の彼女の家に行ってみた。

引っ越しました、と古い紙に書かれた文字は、男の文字だった。だけど僕の文字ではなかった。署名されていたその文字は 僕の親友の名前だった。
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