もらい泣き/アマメ庵
 
どうして下らない男ばかり好きになるんだい
あいつは、君を幸せにしない
君のことを考えてすらない
それは君にもわかっているはずだ

君の話を聞くのは好きだ
しかし、あいつの話となると、聞くに堪えない
君は、自分が思いたい幻想にしがみついているだけ
自分の理想を投影しているに過ぎない
それですら、君は傷ついている

わたしは知っている
自分のことを面白おかしく言う君は、
とても恥ずかしがりで、とても脆い
あけすけに見えて、本当の気持ちを表現できない

わたしは、これ以上君に傷ついて欲しくはない
わたしは、君の涙をぬぐうこともできないし
わたしは、君を抱きしめることもできない

わたしは、ただ君の話に相槌をうつ
君が話したければ、せめて聞くよ
君が笑ってほしそうなら、私は笑い
君が一緒に怒ってほしそうなら、あいつを非難する

君は明るい
眩しいくらいの明るさの下
厳重に隠された涙

さきにもらい泣きしてしまったらごめんよ

あいつとは関わらない方が良い
わたしがいくらそう言っても、聞こえないのだろうけれど
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