黒い手紙/まーつん
人の非を
責めているだけでは
決して見えない 何か
それを
教えてほしい
眠ったまま歩き回る
羊達の頬を叩いて
目覚めさせる者
あるいは
それが出来るのは
神でしかないのかも
4
原発の吐息
それは
黒い手紙のようだ
原発とは
胎に宿したわが子に
食い尽くされようとしている
傲慢な科学の産物
死の間際の吐息が
黒い手紙となって
届けられる
生命の源へと
その文字に触れると
染色体はほどけ
出鱈目にかき乱され
生命は理性を失い
己の姿を見失
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