黒い手紙/まーつん
1
雨に打たれながら
空をふり仰ぐ
喜びは消えて
土に手を当てて
星の身体の温もりに
触れる喜びも奪われた
原発の吐息が
燃えている
風に乗り 雨に宿り
人の元に届けられる
それは まるで
黒い手紙のようだ
休日の朝に投函され
居間に持ち帰り
封を切る
広げてみれば
黒い文面
見つめても
何も読み取れず
視線はただ
闇の中に
迷い込んでいく
先の見えない
未来のように
2
利口ぶったところで
善人ぶったところで
見ろよ
このザ
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