ほら、そこで見なれない何かがまた息を潜めている/ホロウ・シカエルボク
 


全ての詩文を引き裂いたとしても生まれてくるのは新しい詩なんかじゃないさ、魂の触角に植えつけられた古い血が次のセンテンスへの欲望を昂らせるんだ、さあ、いまのおまえのあるがままをここに書き記せばいい、最初のフレーズを打ち込むだけでいい、あとは培ってきたものが勝手に続けてくれる、慣れたものも新しい試みも、突然変異もお手のものさ、少しの間頭をからっぽにしておくだけでいい、潜在意識のフィールドで詩情狩りが始まるんだ、動脈のようなやつだけをここに連れてこい、動脈のようなやつだけをここに連れてきて、急所に刃物を当てて一気に引くのさ、吹きだした血がディスプレイにその時だけの模様を作るだろう、たった一滴の血
[次のページ]
戻る   Point(5)