flower/佐東
 
名まえを
できるだけ ちいさく
ちいさくささやいて

つめたい 夏のひかり

確かめるように
あなたの首すじを
あまがみしてあげる
から

(すこし湿ってて なまあたたかい
樹液のように
じゅわ。って ひろがる)


いくつかの喃語で
からだを かさねる

手 つなご
だきしめて 口づけするように
黒ずんでゆく 夏の街で
どれほどの名まえが
ひつようだったの

flower

(ゆれている
名まえのない
花が)











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