雨の日の猫は眠りたい 2013/たま
 
に入れたか。
恋はしたか。
もうすぐ、わたしの年齢に追いつくことを知っている
か。

過ぎ去った日々の晴れた日と雨の日をかぞえてみても、
それは昼と夜の等しい数をかぞえるように無意味なこ
とだと思わないか。
季節だけがたしかな暮らしを運んでくる。
晴れた日は犬のように生きて、雨の日は猫のように眠
ればいい。それでも追いつける夢はあるはず。

老いることはどうしようもなく忙しいことだと知って
いても、雨の日の猫は眠りたい。

浅くても、ふかくても、この地上にひとつとして、
無駄な眠りはなかった。













戻る   Point(30)