目玉焼きの皿がからになったらキスをする/石田とわ
かにもきみの言いだしそうなことだ
またぼくもつい調子にのっていいそうだ
皿を洗う口がへの字に曲がってるし
親の敵のようにごしごし皿を洗うきみをとめるには
どうしたものだろう
コーヒー片手に新聞を読むふりをしながら
そんなきみを盗み見する
きっとそのうちきみは怒りながら泣きだすだろう
そして休日の午後はそんなきみをなだめて終わる
まぁしかたがないか
これがぼくの幸せの在り方なのだから
やっぱり休日はおはようのキスからはじめよう
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