ぼくは夢は書けない/創輝
「ぼくの夢」 と書かれた作文用紙に、続きを書かない。
それを見咎めた先生がぼくに近づいてくる。
お前に夢はないのかなんて熱血ゼリフを言ってる先生がいる。
先生には夢があるんですか?なんていう風にたずねたら先生ににらまれた。
先生が言いたいのはつまり「子供とは夢を持たなければならない」っていう押し付け理論なんでしょう、なんて言葉を飲み込んだ。ぼくが夢を大声で語ったら、百人聞く友人のうち90人は大笑いして、8人は意味が分からない、なんだこいつはって言う視線を向けるだろう。残りの二人は表情が読めない笑顔で、二人だけで話してるだろうな。ぼくの夢とはそういうものだ。
子供が夢をもてないなん
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