ゲリラ豪雨で成功したぼくの告白/創輝
日は一世一代の告白だったのに
雨 雲 雨が弱まってくる
だけど今日の花火大会は中止だってさ
ああ 君の悲しそうな顔は見たくないな
即興で考えた 君への言葉が月の光と舞い込んだ
ぼくの言葉に君は不意打ちを食らったように目を大きくさせて
しばらくしたらふわりと笑った
「また 今度は晴れた日に花火を見よう」
そんな君の言葉 晴れてなくてもいいけど なんてちょっぴり思ってしまった
泣きそうな君を慰められるのも 君の彼氏の特権だから
「来年 もう一回告白するよ」
ぼくの言葉に真っ赤になった君がいとおしい
何回告白してもいいかな 花火大会はときどきだったら雨でもよろしい
流れて行った愛の言葉は もうぼくには必要なかった
歯の浮くようなセリフより
花火大会中止に泣きそうになる君を慰めながらする告白がいい
だから 来年の花火大会でも少しだけなら雨が降ってもいいよ
そのかわり中止にならないように
花火を見て 目をきらきらさせる君にも告白させてね
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