爛漫蘭/朝焼彩茜色
 
醒が 冷や冷や静かに背骨を曲げている
顔は頑固な老婆に成りすまし とぼけながら幾何学を編んで解いて
世間に洗脳されても洗えない葦で爽快を奏でる
楽譜を嗅げば 見透かされまいと鼻を高く 驕る不思議な背骨の姿勢

あの蘭は嫌い だから触れることはない そっとしておく
あの人は嫌い だから触れることはない されど同じ人種
仕方のないこの世の仕業 華は美しいという 戯言

惑わす外気に酔うな 錯覚に絡み 解けなくなったら
好きか嫌いか 嫌いが嫌いになるなで 好きか嫌いか
遠慮の一歩引いた姿勢が あだになる
はっきり放つ腹からの 鬱憤を正せよ 吐けよ この世は戯言

あの蘭はなりふり構わず 背骨を老婆のように屈み 生きている 
香りさえ嗅ぐこともないだろう
好きか嫌いか 好きになれない それでいい
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