ノラ猫の歌/石田とわ
 
    おとこに捨てられた、
    だからノラ猫になった
    夜空をみあげにゃあと啼いては
    まんまるお目目に三日月うつし
    うろついた夜の街には
    千鳥足の奴らがいっぱいだ
               
    (ダイキライ!)
               
    涼しい顔でするりとかわし
    ころがる蝉と遊んでみたり
    なびく猫じゃらしと喧嘩する
               
    (酔っ払いあいてにするほどひまじゃない)
               
    おとこはもういないから、
    ノラ猫だから、
  
[次のページ]
戻る   Point(20)