アラウンド・フォーティーの手記/yamadahifumi
 
なんて、気のいい青年って感じで私に言うわけ。それはもちろんいい事なんだけどさ・・・私が呆然としたのは、その子と私は男女二人でこうして飲んだってのに、その子の方からは一切、私に対して「性の匂い」をさせなかったっていう事なの。・・・彼、私の事を、信頼できるオバサマとしか思っていなかった?・・・・。・・・ああ、そういう事に、帰り道で気付いちゃってね、私は愕然として、ああ、こんな風に私は順番に女じゃなくなるんだ、って思って。結婚?・・・ああ、結婚?・・・まあ、それもいいかもね。でも、私は幸福でいたいの。女で、若くて綺麗でいたい。でも、それは夢、夢ってわかってる。でも、夢は破れるものよね・・・。みんな、夢を
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