アラウンド・フォーティーの手記/yamadahifumi
れは哲学ね。・・・そう、馬鹿な女の哲学よ。でね、そういう積み重ならなかった瞬間瞬間も、その人には必ず、重荷になる。・・・人は必ず、何にも考えずに生きていた報いを受ける。・・・どうやら、そういうものらしいわね。・・・もちろん、次のように考える人もいるわよ。「あなたはこれまでもててきたんだから、良かったじゃない。私は若い頃から、いっぺんももてた試しがない。・・・ずるいわ!」ってね。・・・でも、考えても見てよ。私の立場を。私は、『もててきた』という高いところから、これから一気に落ちていく・・・いや、今、ちょうど落ちている最中なのよ。・・・そして、この衝撃は確かに私を襲うわ。・・・それも、恐ろしい衝撃よ。
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