一昨日の夜/紫蓮
昨夜は
本当にありがとうございました
あのとき私は言葉に対して
恐怖しかなくて
期待して絶望する私がとても滑稽で
言葉を拒絶して
足掻いていました
切りそう
切りそう
一分一分
剃刀が悩ませる
言葉なんて
いらなかったの
「温もり」
あのとき
一瞬何が起きたのか分からなくてね
苦しくなったんだけど
かすかに貴女の裾が見えたの
ああ、僕は今
抱き締めれてるんだと
どこかで納得した
こんなことできるのは
貴女しかいないって
とても
嬉しかった
僕が意地でも笑って笑って
だんだん
どこか
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