家族の肖像/梅昆布茶
 
幼い子供達とはあまり遊んだことがなかった 家のローンがのしかかっていた

人生でもっとも不要なもののために 一番大切なものをないがしろにしていた

時代の風は遥か家族の上空を吹き過ぎて行ったさ

もう十年も会わなければ家族と言えるのだろうか 子供達も成人しているとはいえ父親をなんと思っているのか

不甲斐ない親であった 知恵もなく金もなく地位も無い ただむやみに働いて酒を飲む

若き日の文学青年の成れの果て 子供らよ嗤うがいいさ それが真実だから

妻よ世話になった ろくでなしの妻は大変だったろう まあこれからは楽してくれよ

僕は孤独と自由の比率を 僕の命に合わせてブ
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