「名望空」写真家の名前/朝焼彩茜色
 
名を望む空があった 写真家の名前だった
写真に収めることを 刹那主義の私だからしない

思い出は極秘の扉の鍵だけで いい 浸らない視線は 名を望む空へ

癒されざる動機に支障をもたらす 生贄にされたような殻の割り方が

弱弱しい

思い出は娯楽の一つに分類され 秘書が直角に纏めあげる 名を望む空へ

一番に自分を望むこと 名を望む空へ 自分を治めてアングルの利き腕を上げて

刹那を底の色の扉を壊すくらい 宙に舞う割り方を

認めたい

今だけを水平に浴びる 尊き空からの望み名
写真家の名前だった

今だけを垂直に見上げる 尊き「名望空」
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