誰もわからない/
十二支蝶
あかい死に神を 方角も煙もない風のなかに逃がしていく
雨のなか 金縛る視線は ただ土をただ滅ぼしていくだけ
届くのか 届かぬかわからぬ 厚い雲から離れた夢を一艘の小舟に乗せた
波も浮かぬ 日向に氷る私の声よ 誰の顔を見て 今、凪ぎの空に立つ
右も左もない風のなかを あかい死に神がとけていく
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