翅虫/マーブル
 


月のみえない夜空をみあげた
シャイな星が雲の隙間かくれんぼ
水面を蹴った水飛沫の粒のようにキラリと
脚に絡みつく風が冷たかった
心地良いからカーディガンを腕まくり
玄関の階段座り白いペンキの壁もたれていた




あいにく今日は待ちぼうけだ
ギターも不愛想にしていた
ひまつぶしに擦れたAマイナーと
くしゃみが二回やけに響く夜だ
おもわず一人小説読んで流した泪はあたたかい
紅茶ラテはほんの少し熱かった
頬杖ついて願い事は増えつづけるばかり





つぎからつぎへとこぼす言葉にリズムと色を重ねたい
ありふれてくだらないものたちを
愛するのに
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