熟腐/
木屋 亞万
生まれてすぐに聞いた歌が
今まで聴いた最高の曲
あれ以上うまく歌えない
生命の叫びも今では
口を嘘に染めあげて
ひどく空虚に響くのだ
不純物の混ざった星のかけらの
砕いて削る前の青の純度
戻らないものばかり
うつくしく輝いて
吸いたくない塩気の強い湿っぽさ
後悔は失敗の傷を化膿させる
ソバージュをあてる前の
真っ直ぐの髪が好きだった
恋をする前の方が
傷一つなくきれいだったね
大人になればなるほど
醜くなっていくってほんと?
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