情熱についてのアフォリズム/銀馬車でこい
 
鼓動する情熱の奥には
今という熱を追い続ける軌跡でしかない刹那の
その影にはきっと何かが隠れている

それは 熱病ではない
それは 結核ではない
それは マラリアではない

そう 情熱とは
狂気と呼ばれる必然などでは断じてなく
現実と理想としての偶然の中にあっては
誕生日付の新聞紙の告白のように
やや熱しやすく
それは 渇望する現実の萌芽として
理解する理想の魔力としてのみ
燃焼されるインパクト

たとえ世界中の消火器が壊れたとしても
冷凍庫には扉がついている
停まることなく突き進めば
少しだけの休息と
愛という名前の宛先にたどり着くはずだ
その一刻のそれまでが
アフォリズムのような恋だとわかってはいても

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