スウィート・デビル・テイル/エイリアン/茶殻
 
殺し屋の看板は下ろしました
ついに一件の依頼も来なかったけど
前科者の看板は外せないしね

ロンドンの中央を走るバスに貼り付く
いくつものガムを剥がして
ぼくは本当に会いたいものにだけ会いたいと願う

風の噂の始まりは
38度5分の熱にうなされる少年の夢の中
スウィート・デビル・テイル

何度枕を裏返しても奴はいない
閉じたまぶたを横切っていく天使の羽に
闇の国も住めば都なのかと問う舌は痺れて

図書館を喫茶店に様変わりさせるような
ジャズ・ミュージックばかり聴いてみても
ぼくの最低限のワードは心に潜む、三つ子の魂百まで

説明過多の春よ
青くにおう風も幼
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